秋の音色を灯す。キャンドル・イベントのご報告
先週末、キャンドル作家の河合悠さんを迎えて、resonance music 吉本宏さんの音楽と料理家・森本由美さんとのコラボレーションで、D+E TABLEでワークショップとお食事会を開催しました。
ワークショップに参加いただいたお客さんはみんな初めてキャンドルづくりをする方たちばかりだったのですが、難易度の高い「音を写す」ことにトライしていただきました。「ろうそくとは」、「ろうそくづくりについて」など、悠さんから一通りお話を聞いた後に、みんなでテーマの1曲を聴きました。午前の部はルイス・ヴァン・ダイクのSing a Rainbow、これは吉本宏さん選曲のBEAU PAYSAGE la montagne 2017 CDブックのⅠ曲目(このCDブックには悠さんも作灯家として参加しています)です。ゆっくりと曲を聴き終わると、みな思いついた色などを口にし始め、用意されていたパステルとクロッキー帳にイメージの色を書き込んで行きました。ある人は明るいオレンジ、ある人は黄色、またある人は淡い紫など印象はさまざまでした。一人ずつそのイメージに沿って、ろうそくの型にブロックのロウと色をつけた溶かしたロウを流し込んで、音楽のイメージを形にしていきます。午後の部はRaphael GimenesのEsse Menino、こちらはみんな一様に緑や初夏、晴れ間、始まりなどの色やキーワードが浮かび、中には「濡れたアスファルトを走っていくと晴れてきて空を見上げると緑の山と青い空が」という情景を思い浮かべ、ストーリーを1本のろうそくに写し込んだ方もいらっしゃいました。
ワークショップではキャンドルのつくり方だけでなく、使い方や育て方も説明いただきました。悠さんからの一番のメッセージは「キャンドルはできたそのときが一番の旬だからワークショップでできたらすぐに、展示品を買ったらすぐに火をつけて楽しんでください」ということ。そして火をつけるとキャンドルの表情は一変します。灯すため、楽しむためのキャンドルづくりワークショップとなりました。
日曜日は午後5時から早めのディナーが始まりました。題名は「秋の稔りの食卓」。吉本さんがワークショップのために選んだ2曲と悠さんが選んだ言葉「光、稔り、積もる、沈み、発酵、ほころび、結ぶ」を受けて、由美さんがつくったお料理は旬の素材と発酵させたものでできた「秋の稔り」そのもの。
ぶどうとフェンネルの酵素ドリンクから始まり、大根・梨・フェンネル・柚子のスープ、その後のメインのお皿には6種の季節の味わい、大根のサラダ・柿のソース、柿・かぶのカシュー白和え、むかごのスパイスフリット、さんまのグリル・鷹峰唐辛子ソース、根菜類のフリッター・バルサミコぶどうソース、黒米・栗・まいたけのリゾット。そしてデザートは、いちじく・ほおずき・ぶどう・豆腐クリーム添え。最後には友人たちから届いた「ボタニカル・ライフのマスカット・ベーリーA」「吉田牧場のチーズ」なども食卓に並びました。
ほおずきは篠山の友人から、野菜はクロッシング・ファームをはじめ多くの生産者から、由美さんのつながりある生産者から届けられた秋を、由美さんが発酵させた塩麹などの調味料を使ってできた「結ぶ」食卓となりました。
夕暮れのまだ明るい時間に灯されたろうそくは時間を置くごとに光を増して輝き、暖かい色をテーブルの上に注ぎました。食後に悠さん、吉本さん、由美さんを囲んで火をめぐるいろいろな話に花が咲きました。例えば、参加者の一人が北欧を訪れたとき人々の家にやホテルにもいつもキャンドルが灯されていて、ホテルでは朝から暖炉もついていてとても暖かい気持ちになり心地よかったという話をされたとき、悠さんは「火があるということは、それを見守る誰か“ファイアーキーパー”がいるということで、人の気配を感じることが暖かい気持ちにつながるのかも入れませんね」と答え、ろうそくから「火」の持つさまざまな出来事まで話は広がり、すっかり暗くなるまで食事会は続きました。
悠さんのキャンドルは10/21(土)までD+E REVIVALで、10/22(日)には蚤の市で販売します。キャンドルの使い方や育て方もスタッフはしっかりと学びましたので、ご興味ある方はお店でスタッフに気軽にご質問ください。