モロッコのラグには代表的なものに、ベニオワレン・アジラル・ボシャラウィットがあります。
それぞれの特徴をご紹介いたします。
ベニオワレン(Beni 0uarain)とは、モロッコ北東部アトラス山脈にある標高1900mほどの山岳地帯にある遊牧民族ベルベル人の一部族地域の名前で、そこで手織りされる毛足の長いラグは古くから高地での遊牧生活の中で防寒寝具として使用されてきたものです。子羊の毛を無染色のまま手仕事によって一枚一枚織られたラグはとても品質が高く、経年変化により艶やかにシルクのような味わいを出します。
ベニオワレン・ラグはいまも変わらずつくり続けられていますが、比較的新しいユーズドラグはオールド・ベニオワレン、20年以上前に織られたものはヴィンテージ・ベニオワレンと呼び分けられています。ヴィンテージ・ベニオワレンのデザインの良さと経年による風合いを好む人は多く、中でも特にデザイン・品質ともに良い60〜70年代に織られたヴィンテージ・ラグは、手に入れくいものになっています。
また、ベニオワレンのラグには、外からの脅威から身を守るために織られたものや、縁起の良いお守りなどを施し、幸運や幸福、繁栄をもたらすと言い伝えられているものもあります。
アジラル(Azilal)はモロッコ中部の高地にある州の名前です。アジラル地域に住む遊牧民族ベルベル人によって手織りされるラグは、ベニオワレンに比べるとやや毛足が短いものが多く、天然染料で染められた色とりどりのウールを配した個性的なデザインが特徴です。特に印象的な色がピンク。鮮やかな色合いと自由なデザインが魅力です。
かつて山岳地帯の遊牧民族であったベルベル人の中には、山を降りた人たちもいます。民族の中で伝統的に伝わる手織りの技術を活かして、古くなった衣装を裂いて手織りする裂織りラグのことをボシャラウィット(Boucherouite)と言います。モロッコの首都マラケシュでつくられているものも多く、色もデザインも独創的です。使われる素材が古着なので、素材はウールやコットン、麻から化繊までさまざま。代々伝わる手織りの技術と手仕事の温かみ、ベルベル人の感性を感じるアイテムです。
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