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2018/Jul/14

神崎由梨さんのアトリエを訪ねて。

神崎由梨さんの木彫りの作品たちには、まるで小さな妖精が宿っているよう。瞳を閉じた柔らかい微笑みや遠くを見つめる悟ったような表情、ずっと見つめていると心が浄化されているような、あるいは小さな温かいものが心の中に生まれるような気持ちになります。

神崎由梨さんの作品が生まれるところ、岡山県の山間にある古民家のアトリエを訪問しました。家族と暮らす母屋の隣にあるアトリエは、由梨さんが好きなものたちに囲まれていました。石、サンゴ、絵、写真、本、植物、かけら、ガラス瓶、紙、そしてときどき自分の作品。CDプレーヤーからは静かな音楽が流れている。彫り始めると無心で一気に仕上げてしまうという由梨さん、見せてくれたのは1冊のノート。そこには今回の展示のために最初に彫りかけた作品のスケッチが載っていました。

展示会ごとに、会場の雰囲気や展示会のテーマ、自分のなかのそのときどきの気持ちなどを整理してゆっくりと考える時間を持って頭の中に作品たちがつくる世界を描いていきます。それを写したノートには、テーマのはしっこから想像したアイテムや、いま自分がつくりたいものなどがランダムに並びます。

木彫りの作品に使う木は、木を扱う仕事をしている友人たちから譲り受けたさまざまな種類のもの。まずはチェーンソーで木片にするところから全部ひとりで仕上げてきます。木片を切り出したら、あとはスケッチのイメージ通りにひたすらノミを入れ続ける。とても華奢な白くて細い腕から、ノミの根元に潔く力強く金槌が振り下ろされるのを見ていると、神々しさを感じます。この日、最初の作品としてつくりかけていたのは両腕を広げた女の子の姿のキャンドルスタンド。最後のノミを入れて形が完成します。

色づけはアクリル絵の具で。由梨さんの作品の曖昧色のパステルカラーはとてもシンボリック。とくにそのブルーは印象的。廊下の端に置かれた古い水屋の上には、いろんなブルーがたくさん並んでいました。お風呂のタイル、ガラスのかけら、瓶やオブジェ、青いロウの作品。ある画家の絵に惹かれて絵を書き始めた由梨さんが、写実的な絵の世界から抜け出して創造的な木彫りの世界へ足を踏み入れたのが5年前。それ以来、作風は一貫していて神崎由梨の世界をつくり続けています。妖精が宿るその世界を展示会でぜひご覧ください。

ブルーのコレクションが並ぶ。

色付けをする机の周りにも好きなものがたくさん。

古民家のアトリエ。

色をつける前にキャンドルを挿してみる。

ある作品。

D+E MARKET買付けのアンティーク鏡はどんな作品になるのか。

梁のカッコいい古民家の2階が彫りをするスペース。

アトリエの窓からは緑豊かな山々が見える。

木屑はほうきでささっと。

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