「春告草」イベントご報告。
2024年2月のはじめ、堀口一子×長田佳子 feat.田中直純 お茶とお菓子と白いうつわ三人展 「春告草」が無事に終了いたしました。少し遅くなりましたが、写真でご報告いたします。
京町家の床の間にて小さな庭を眺めながら、節分と立春に合わせたお茶を淹れる堀口一子さん。お茶に合わせてお菓子を焼くのは長田佳子さん。その茶器と菓子皿は陶作家・田中直純さんの制作。息の合った三人の芸術が奏でる美しい時間となりました。
茶会「春告草」
茶 堀口一子
菓子 長田佳子
茶器 田中直純
2/3節分
茶一 安化黒茶+蕗のとう
ラズベリーとローズヒップのクラッカー
茶ニ 雪片 銀花香(鳳凰単欉)
柿バターとパンデピス
茶三 梅花紅茶
りんごのケーキ
2/4 立春
茶一 梅花紅茶
りんごのケーキ
茶ニ 岩茶 老樹梅占
柿バターとパンデピス
茶三 古樹生茶 龍珠
ラズベリーとローズヒップのクラッカー
節分の日は、熟成した湖南省の安化黒茶でスタート。飲むとすぐにからだがポカポカしてきます。3煎目にドライのふきのとうを加えるといい香りが部屋いっぱいに広がり、春の到来を感じるお茶に変化。合わせるお菓子はfoodremedieらしい滋味深い味わいのクラッカーにドライフルーツとメレンゲがのったもので、黒茶と響きあう味わい。小さなゴブレットのような白い脚付茶杯でいただくヨーロッパのティーサロンでお茶をいただいているような気分にもなります。2つめのお茶は、鳳凰単叢「雪片 銀花香」、蜜のような香り心地いいお茶。合わせるお菓子は干し柿にバターをサンド、和洋のミックスした小菓子とパンデピス。スパイスの効いたパンデピスが、香り豊かなお茶とぴったり。この日最後のお茶は、今回の三人展のテーマ春告草、梅に合わせて「梅花紅茶」。中国で採れる紅茶です。合わせるお菓子はりんごのケーキ。長田佳子さんが先日訪問したリトアニアで知ったしっとりとした皮が特徴のリンゴのケーキ。紅茶との相性もとても良く、みなさん何煎ものお茶を飲み、会が終わるころにはからだが温まってたのかみな頬がピンク色で幸せそうでした。
2日目は立春、さらに春を感じるお茶をと、香りのお茶には梅の花を連想する自然な香りが特徴の「岩茶 老樹梅占」、プーアール茶は熟茶でなく生茶をチョイス。プーアール古樹生茶には、途中でドライの桃の花を加えて、次の季節である桃の節句に思いを馳せる演出も。お茶は自由に楽しんでいい、と笑顔で話す堀口一子さん、「春告草」のテーマに合わせて2日間の異なる景色を見せてくれました。
茶会に合わせてうつわを制作したのは田中直純さん、繊細なフォルムとニュアンスのある釉薬、手触りや口触りの良さと控えめなデザインの美しさが共存する作家さんです。今回はテーマである春告草、梅を造形に取り込んだ茶杯とお皿を新しく制作してくださいました。京都の大学で陶芸を学び、多治見の陶作家のもとで13年、2019年に独立した田中さんは、多治見で働いているときに堀口一子さんと出会って中国茶を始め、今では茶淹れをすることもあるほどお茶が好きな陶作家。日々の暮らしで自身の茶器を使いながら作品づくりをしています。現在工房のある美濃地方の山から採れた原土を粘土に混ぜたり、栃渋でうつわを薄黄色に染めたり、オリジナリティを忍ばせながらも毎日使える品のあるうつわを届けてくれました。
今回は茶会のために制作した茶器をイベントの後にも販売させていただきましたが、すべて完売いたしました。ありがとうございました。
季節を感じる茶会は、参加された方々の心の中に残り続けると思います。このような機会をたびたび儲けることができればと考えています。今回新しく出会った堀口一子さんと田中直純さん、そのご縁を繋いでくれた長田佳子さん、再び豊かな時間を紡げる日を楽しみにしています。
D+E MARKET / FLUFFY AND TENDERLY
京都市中京区橘町616